片流れ(かたながれ)屋根というのは、近年とても人気があるスタイリッシュなデザインの屋根の一つです。
シンプルでモダンなこの屋根は一方向に傾斜しているデザインで、1枚の大きな板が斜めに付いているような屋根です。
敷地の狭い住宅でも、移住空間を確保しやすいのも人気の理由かもしれません。
屋根が片側に高くなっているので、天井のスペースを確保しやすくロフトや屋根裏として活用できるのです。
この組み方は比較的簡単ですが、しっかりとした組み方の計画と技術が求められます。
では、基本的な片流れ屋根の組み方の手順をご紹介します。
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片流れ屋根のメリット・デメリット
メリット
構造がシンプルなので、建築コストを抑えることができるのが最大のメリットです。
施工がシンプルな分、他の屋根と比べると材料の使用量が比較的少なくて済むので新築時はもちろん、
リフォームにかかるコストも抑えることが可能です。
見た目もお洒落ですっきりとした外観で、ソーラーパネルをご検討の方にとってもおすすめの屋根です。
そして、傾斜が一方向に向いているので雨水や雪など溜まりにくいため排水性能は抜群です。
特に雨や雪が多い地域には、最適な屋根ではないでしょうか。
デメリット
一方で、雨水が一方向に集中して流れるということは排水システムが適切な状態でいないと
排水不良や雨漏りの原因に繋がってしまいます。
そして低い方の外壁に雨水が集中するので、他の外壁よりも集中する外壁が劣化しやすくなるのです。
どの屋根にも言えることではありますが、雨樋や排水口など定期的なメンテナンスはとても重要です。
風通しや温度変化に対して敏感な片流れ屋根は、断熱材の適切な設置も求められます。
屋根の形状によって、特定の場所で断熱や気密性を保つことが難しいのです。
シンプルなデザインが特徴の片流れ屋根ですが、そのぶんバリエーションが少ないため難しい構造の建築には
向いていない屋根です。
建物の向きだったり位置によっては、最適な傾斜角度を調整する場合があります。
コストを重要視する方や施工のしやすさにおいてメリットの多い片流れ屋根ですが
排水に対しては、他の屋根よりも敏感に見ていく必要があるようです。
片流れ屋根の組み方の手順
片流れ屋根はシンプルなデザインや施工のしやすさから人気がありますが、
正確な施工と適切な材料選びが重要になってきます。
では、どのような手順で片流れ屋根が組み立てられるのか解説していきましょう。
1 設計を考え、計画を立てる
住んでいる地域の気候条件や屋根材に応じて、屋根の傾斜角度を決めていきます。
もし雨雪が多い地域であれば、うまく流れていくように適切な角度にしましょう。
片流れ屋根の骨組みを支えるため柱や梁を設置し、柱を屋根の傾斜に合わせることで
片流れ屋根の特徴的な一方向の傾斜を確保することができるのです。
角度が決まれば、雨樋や排水溝の位置も適切な位置を決めていきます。
2 垂木(たるき)と野地板(のじいた)設置
垂木とは屋根を支えるために使われる構造材で、屋根の骨組みとして梁(はり)から軒先に向かって斜めに配置されます。
そして野地板とは、屋根の下地として垂木の上に張る板材のことをいいます。
屋根の構造を安定させるために使われるもので、屋根材をしっかりと固定する役目があります。
屋根にかかる様々な重さを支えるために垂木を設置していくのですが、
片流れ屋根においては垂木も傾斜に合わせて配置していきます。
このときに、垂木の数や間隔というのは屋根材の重さや風圧に対して設計されます。
同時に垂木の上に野地板を設置し、屋根材を貼っていくため平面を作っていきます。
野地板を屋根全体を覆うように敷いていき、釘やビスで固定していきます。
それから野地板の上に防水シートを貼り、防水性を高めていきます。
野地板は屋根の土台となる存在で、外部からの雨風や雪などから屋根全体を守ってくれる役割があるのです。
3 屋根材を設置し、仕上げ
防水シートが貼れたら、その上から屋根材を貼っていきます。
片流れ屋根の傾斜に合わせ屋根材を重ねていくと、屋根に溜まる水の流れがスムーズに流れるので
雨漏りのリスクを軽減することができます。
最後に棟や屋根の端を仕上げていき、雨樋などを取り付けて排水対策を行えば
片流れ屋根の施工は完了です。
今回は片流れ屋根のメリット・デメリットや組み方について、簡易的にご紹介してみました。
その他にも雨漏り対策を強化するにはどうしたらよいのか、屋根裏の湿気を逃すため換気や通気をよくする方法とは、
など片流れ屋根のデメリットに対して解消方法もご提案できますので、ぜひお気軽にご相談ください!
お問い合わせ:立花工業株式会社☎080-7404-0035
【記事を作成している人】
立花工業株式会社のブログ担当 アライです。
屋根工事やリフォームについて日々勉強しながら、分かりやすい言葉を意識して作成しています。
少しでも参考になればうれしいです!